ポーセラーツの窯(電気炉)ってどれを選べばいい??

ポーセラーツは白磁に転写紙などでデザインしたあと、窯(電気炉)に入れて焼成して完成させます。これからポーセラーツの教室を開講しようと考えている方にとっては必ず必要なもの。でも、窯ってどれを選べばいいの?と悩みますよね。(それなりに高額なので…失敗したくないですよね)
そこで今回はこれから窯(電気炉)の購入を検討されている方のご参考になればと、実際にポーセラーツ教室を開講し窯(電気炉)を5年間使用した私の経験をふまえて窯(電気炉)について詳しくお伝えします。これから窯を購入されたい方や、購入したけどもっと窯について知識を得たい方必見です!!
目次
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私がペインターズキルンSVを選んだ理由
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5年間使用してみての感想
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焼成時の失敗例
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窯の購入時期について
私がペインターズキルンSVを選んだ理由
- 安全性
- 見た目のデザイン
- 家庭用電源が使える
- 扉の開け方が前開き
- 焼成時間がほかと比べて短い
- サイズがコンパクト
- 電気代が安い
私が購入した5年前はポーセラーツの資格を発行している日本ヴォーグ社から出ている電気炉カタログによると電気炉の種類は12種類ありましたが現在は6種類に減っています。この中で私のオススメする機種はぺインターズキルンSVです。(実際私が5年使用して使用してみて、私にはこれがベストだったと思います!!)
(ちなみに、私がとても信頼しているポーセラーツの某有名な先生もこちらの電気炉を使われておりおすすめされておりました。いろんな窯を見てきた中で、窯によって作品の仕上がりが違うというお話もしてくださいました。おすすめできない窯もあると…窯選びって本当に重要ですね。)
1.安全性
確実に扉が閉まる安全ロック機能付きなので、子供がもしも開けようよしてしまった場合でもロックを外さない限り開けることはできないので安心です。(でも家族が家にいるときは焼成しないようにしています。)
また冷却ファン内臓で外壁が熱くならない安全設計なので、焼成温度800度でも近づけないほど熱くなりません。
2.見ためのデザイン
私が購入したタイミングでちょうどリニューアルしたペインターズキルンSVは見た目がとてもシンプル。色はホワイトで形もすっきりしています。お部屋に置いていても生徒様に「これが窯ですか?」とびっくりされるくらい違和感のないデザインです。
3.家庭用電源が使える
ポーセラーツ用の電気炉は家庭用コンセントをそのまま使用できるタイプがほとんどですが、大型のタイプでは200V電源の工事が必要な電気炉もあります。マンションなので工事することができず、家庭用コンセントで使用できるタイプを選びました。(マンションなどの集合住宅では工事の際許可が必要です。またベランダにも許可なくコンセントを設置することができませんし断られる場合もあります。)
4.扉の開け方が前開き
電気炉の扉の開き方には、前開きタイプと上開きタイプとがあります。
上開きタイプは使ったことがないので比べられませんが、前開きタイプは、出し入れしやすく、庫内も見やすいため、複数の作品を並べての窯詰めが簡単にできます。
5.焼成時間がほかと比べて短い
コンパクトなペインターズキルンSVは温度上昇も下降も短時間で済みます。ペインターズキルンは作品を取り出すまでに11時間程度です。
6.サイズがコンパクト
《外形サイズ》53cm✕52cm✕高さ56cmなので電気炉の中ではかなりコンパクト。その分炉内サイズは小さめですが、30cmまでのお皿なら焼成可能です。ボザールフラワーベースのような高さが29cmあるものでも斜めにして焼成することができました。(危険だと思うので、くれぐれも自己責任でお願いします)
↓ボザールフラワーベース
また置く場所について、ベランダに置くことも検討しましたが、私のサロンはマンションでベランダにコンセントが無く、電気工事は不可とのことで断念しました。でも結果、電気炉も電化製品なので外に置くと劣化し故障するリスクが高まるとのことで室内に置いてよかったと思います。(大事な商売道具なので、大切に大切に扱っています。)コンパクトと言えど、それなりに大きいので、室内に置く方ほどコンパクトなサイズをおすすめします。
7.電気代が安い
大型の電気炉であるアートキルンSV1ホワイトや彩火と比べるとペインターズキルンSVはカタログに表示している表示電気料金は約半分。多いときは毎日焼成するので、電気代は安いほうがいいですよね。実際焼成1回でいくらかかっているのかはわかりませんが、使用前と比べて電気代があがったという実感はないです。
5年間使用してみての感想
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臭いは想像以上にする
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部屋を締めっぱなしだと熱はこもるけど電気炉周りはそんなに熱くならない。(電気炉も触れる程度)
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操作は慣れれば簡単
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ファンの音がけっこううるさい
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故障はいまのところない
※ペインターズキルンSVで検索すると2~3年で熱線が切れるという記事をよく見ますが、私の場合5年使用して今のところ故障は一回もないです。
以上、感じ方は個人差があると思いますが、私が5年使用した感想でした。
焼成時の失敗例
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ガス抜き線を始めから閉めたままで焼成してしまった→仕上がりにかなり影響がでた(焼き上がりの色が全然違う)
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誤って途中で電源スイッチを切ってしまった→ポーセラーツ本部に電話し指示通りに再開したら問題なく焼成できた
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転写紙屋さんの推奨温度で焼成したら転写紙がはがれた→稀な例だったみたいですが、推奨温度より下げて焼成したらはがれなかった
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白磁が割れた→窯によって相性がある白磁がある
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値段シールをはがし忘れてそのまま焼いてしまった→シールが粉になり下の作品についた(払えばすぐとれました)
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冬場、電気炉内の温度と外気の温度差が同じではないタイミングで窯出ししてしまった→上絵の具で制作した作品で上絵の具部分にヒビが入ってしまった
窯の購入時期について
電気炉購入のタイミングはいつがいいか迷われている方もいらっしゃると思いますが、私はインストラクターコース受講中をおすすめします。レッスンに通いながらご自身の作品で練習するほうがその都度質問もしやすいと思いますし、教室を開講してからだと、経験が浅い時期に大切な生徒様の作品で焼成失敗…なんてこともあります(実際私も何度か失敗しています)焼成も技術や経験が必要な作業だと思いますので、失敗を恐れずたくさん焼成してくださいね!
まとめ
教室を開講し実際に5年使用してみて、私にはペインターズキルンSVが合っていますし、とても気に入っています。(レッスン回数は月10回程度/焼成回数は繁忙期などは毎日のときもありますが、平均週3回ペースです)窯(電気炉)は購入前からも、そして購入したあともわからないことだらけで不安なことが多いと思います。が、不安が大きいほど窯から作品を出した時は今でも毎回感動します。ポーセラーツ開講の夢に向かって頑張っている方、窯でお悩みの方など今回の記事がどなたかの参考になればうれしいです。
OBIでインストラクターコースをご受講の方には実際に窯(電気炉)をお見せしながら説明しています。またご自宅に出向いて窯の指導もさせていただきます。